離婚したい人も、離婚したくない人も、知ればきっと役に立つ

離婚慰謝料について

 今も昔も変わることなく離婚原因の第一位に君臨する「性格の不一致」。この場合はどちらか片方に責任があるとは言えず、ある意味お互い納得して(かどうかは分かりませんが...)離婚に踏み切ることでしょう。
それに対して、自分には何の落ち度もないのに離婚せざるをえなかったとしたら、納得がいくはずもありません。そんな時にいくらかでも気持ちと生活を明るくするために貰うお金、それが「離婚慰謝料」です。

「慰謝料」とは

民法によれば、慰謝料とは精神的・肉体的苦痛によって他人を傷つけた者は、その損害を賠償しなければならないとされています(710条)。
離婚による慰謝料とは、不貞や家庭内暴力などの行為(これを「有責行為」と呼びます。)を働いた夫又は妻、不倫相手が、苦しめられた配偶者に対して支払う金銭のことをいいます。もちろん、金銭によって全て問題が解決するわけではありません。しかし、不貞・暴力を働かれたという精神的苦痛、配偶者としての地位を失うという精神的苦痛や、離婚により生活が一変することによる生活困難を、金銭が和らげるというという面は否定できません。
そういう意味では、離婚を決断するにあたっては、慰謝料が非常に重要になります。

「財産分与」との違い

離婚するときには「財産分与」というのもあると聞いたことがあるけど...、「慰謝料」と「財産分与」って同じものではないの?と疑問に思われる方もいらっしゃるかもしれません。
「慰謝料」と「財産分与」は別のものです。
「慰謝料」は離婚の原因を作った者が支払わなければならないものです。「財産分与」とは、結婚していた期間中に夫婦が共同で作り上げた財産を2人で分けて精算することをいいます。
たとえば、夫が浮気をして離婚をすることになり、夫婦の財産は、妻の名義で貯金をしていた場合を考えてみましょう。この場合、慰謝料は離婚の原因を作った夫から妻に対して支払われます。他方で、共同で作り上げた財産が妻の講座に入っていますから、貯金の半分を財産分与として妻から夫に支払う必要があります。財産分与は結婚期間中の共同財産の精算という性質をもちますので、その口座に妻の結婚前の貯金が入っているような場合には、財産分与の対象の額から除外されます。

請求できる期間

慰謝料は、離婚後いつまで請求することができるのでしょうか。
民法により慰謝料の請求は、3年で時効にかかることになっていますので、離婚が成立してから3年を経過すると請求をすることができなくなります。また、精神的苦痛に対する慰謝料については、時効のカウントが始まる時期が、離婚が成立した時よりも早くなっていますので注意が必要です。
なお、財産分与にも請求できる期限があり、これは離婚が成立してから2年と定められています。慰謝料については時効を停止したり、中断することが可能ですが、財産分与については2年たつとどんな理由があっても請求できなくなってしまうことになっているという点に特徴があります。

離婚慰謝料の金額

問題は、慰謝料の額です。基本的には夫婦が話し合って決めます。したがって、自分がこれなら慰められるという金額を請求して相手が「うん」と言えば、話は簡単です。
しかし、そのように円満?に話し合いができて、金額が決まる夫婦はまれでしょう。夫婦での話し合いができなければ調停や裁判で決めることになります。また、養育費と違って離婚慰謝料には目安となる計算式などもありません。それぞれの夫婦の経済状況や離婚に至った原因、年齢など諸事情を総合的に判断して決められます。


次回からは、実際の判例を紐解きながら、さまざまなケースの離婚慰謝料の金額を具体的に見ていきましょう。


更新 2014年9月 3日
credit: mac_filko via photopin cc
      

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