離婚したい人も、離婚したくない人も、知ればきっと役に立つ

財産分与3

家や土地などの不動産にローンが残っている場合、財産分与は少し複雑になります。
今回は、夫名義の住宅に夫名義のローンが残っている場合、具体的にどのような方法があるのかを考えてみましょう。

方法1.不動産を売る

その家や土地に住み続けたい!という気持ちがそれほどなければ、この方法が最も簡単です。不動産を売って得た利益から残りの住宅ローンを返済し、まだお金が残るようであれば、それを夫婦で分ければよいのです。

この方法で問題なのは、その不動産が残りの住宅ローンより安い金額でしか売れない場合です。売ったところで当然ローンは残ります。その残ったローンを一括返済できる現金が用意できれば良いのですが、そうでない場合、その不動産には抵当権が残ったままになってしまいます。そんな(抵当権が残ったままの)不動産を買ってくれる人はなかなか現れないでしょう。
ではどうすれば良いかというと、「離婚によって家を出る」という事情を、融資してくれた銀行に伝えて相談することで住宅ローンが残っていても抵当権を解除してもらえることがあるようです。不動産の価値が住宅ローンより低いからといって簡単に諦めずに、問い合わせてみることをおすすめします。

方法2.夫が住み続ける

この方法であれば、不動産も住宅ローンも名義の変更をする必要がないので、銀行との絡みは特になく、夫婦間での取り決めのみになります。
この場合の財産分与は、「不動産の価値」と「ローン残高」の差額が対象となります。例えば現在の価値が3,000万のマンションに2,400万のローンが残っているとしたら、その差額、プラス600万が財産分与の対象となります。
逆に3,200万のローンが残っているマンションの価値が3,000万しかなかったとしたら、マイナス200万を話し合いで分けることになります。
プラス600万を50%ずつの割合で分ける場合、家を出て行く妻に夫から300万円を支払うわけですが、全額を一括で用意できないこともあると思います。そのような時は分割でもしっかり回収できるよう公正証書を作成しておく方がよいでしょう。

方法3.妻が住み続けるために名義を妻に変更する

前回記事(財産分与2)で解説したとおり、夫名義のローンが残る不動産を銀行に黙って妻の名義に変更することは、契約違反であることがほとんどだと思われます。ですので、妻が住み続けるためには住宅ローンの名義を妻に変更することがまず必要です。
手続きの流れとしては、妻が新たに住宅ローンを申し込み、それで夫名義の住宅ローンを返済することで、実質ローンの名義が入れ替わることになります。

この方法は、妻が住宅ローンの審査に通ることが前提となるため、正社員としての就業期間や年収など、一定の水準を満たしていることが必要であり、専業主婦やパート勤務では難しいと言えます。

方法4.妻が住み続けるが、不動産も住宅ローンも夫名義のまま

住宅ローンの契約者である夫がその家を出て行く時点で、すでに融資の条件から外れてしまっていることは前回にもふれましたが、実際にこのケースは多く存在しています。
養育費や慰謝料の代わりに夫が住宅ローンを支払い続けたり、妻が家賃として夫に支払ったりと、家庭によっていろいろなやり方はあると思いますが、ローンの名義が夫である以上、この方法はいろんな危険がひそんでいます。

まず、先にふれたとおりこれは契約違反となりますので、銀行にバレたら一括返済を迫られる可能性があります。
また、離婚後に夫が再婚し、新しい家庭ができれば経済的負担は大きくなり、元妻のために住宅ローンを返済することが難しくなることは大いにあり得ます。
夫が住宅ローンの返済を滞らせた場合、最悪のケースでは銀行に住宅を差し押さえられ、出て行かざるを得なくなります。
更に夫に万が一のことがあれば、夫名義である不動産の権利は新たな妻や子どもへと相続されることになり、事情は複雑さを増します。

上記のようなリスクを認識した上で、それぞれの場合にどう対処するか準備しておく必要があります。
将来的に住宅ローンの問題がなくなったら不動産の名義変更をしたいと考えている場合でも、きちんと約束が果たされるよう、公正証書など出来る限りの備えをしておくべきでしょう。


更新 2014年2月 3日
      

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