離婚したい人も、離婚したくない人も、知ればきっと役に立つ

実家に帰った妻が子供に会わせてくれない!![面接交渉権]

Q.

 嫁と姑の仲が悪くなり嫁は子供(未成年)を連れて実家に帰ってしまいました。
現在、私は子供に会わせて貰えない状態です。嫁は電話にも出ません。実家に電話しても親が出て「知らない」といわれ電話を変わってもらえません。どうしたら子供に会えるようになりますか?

(30代:男性)

A.

 お子さんと会うために、「面接交渉の調停(監護に関する処分)」を家庭裁判所に申し立てるとよいでしょう。

 まず「面接交渉」とは何でしょうか。
 これは、典型的には離婚後、親権・監護権を有しない実親が子供に会うことをいいます。ただし、最高裁判所(平成12年5月1日決定)は、離婚前で、共同親権者の立場にある親についても、「面接交渉について必要な処分を命ずることができる」(民法766条類推適用家事審判法9条1項乙類4号)として「面接交渉」を認めています。離婚前でも、将来の離婚や親権者の指定を巡る前哨戦として未成年者を抱え込み、面接を拒絶する親も少なくないからです。
 ですから、あなたは、離婚前で、子の共同親権者でもありますが、面接交渉の調停を申し立てることができます。

 次に、「調停」とはどのような手続きなのでしょうか。
この手続きは、当事者同士が話し合って、合意によって紛争の解決を図るものです。原則として本人が出頭し、非公開で行われますので、他人に知られたくないような事情も安心して話せます。解決までに要する期間も比較的短く、申立手数料も訴訟に比べて安くなっています。
 そして、調停が両者の合意により成立すれば、確定した審判と同一の効力が生じます(21条1項)。したがって、まず調停を申し立ててみましょう。

 他方、調停が不成立となれば、調停申し立ての時に審判の申立てがあったとみなされ(家事調停法26条1項)、審判手続きに移行します。
 審判手続きとは、家事審判官(裁判官)が、当事者から提出された書類や家庭裁判所調査官の行った調査の結果等種々の資料に基づいて判断を決定する手続です。
 今回のケースで奥さんは、電話にも出ないわけですから、面接交渉につき同意を得られず、審判手続きに移行する可能性は否定できません。

 では、審判手続きに移行したとして、お子さんとの面接交渉は認められるのでしょうか。面接交渉が認められる基準はどういったものなのでしょうか。
 実務上、面接交渉によるプラス面(親の双方から影響を受け人格の円満な発達・形成に資する等)とマイナス面(精神的動揺、学業・生活面への悪影響、父母間の紛争の激化等)を比較して、マイナス面が大きく、子の福祉・利益に反する場合には、面接交渉が否定・制限されます。一方、このようにマイナス面が大きいという事情がなければ原則として面接交渉が認められます

 今回の事案でも、あなたとお子さんとの面接交渉でマイナス面が大きいという事情がなければ、原則として面接交渉が認められ、家庭裁判所は「あなたとお子さんとの月○回、○曜日の○時から○時までの面接を認める」といった処分を命ずることとなるでしょう。


更新 2008年7月22日
      

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