離婚したい人も、離婚したくない人も、知ればきっと役に立つ

元夫の姓を名乗っているが、将来的に旧姓に戻す事は可能か?

Q.

 子供の籍を父親の籍に残し3年前に協議離婚しました。
 子供と姓が違うと学校などで離婚した事が公になってしまう事や、子供の心理状態等を考えて離婚届け提出時に夫の姓をそのまま名乗る事を選択しましたが、子供の精神状態を見極めた上で、しかるべき時期に旧姓に戻せないかと思っております。
 私のような場合、旧姓に戻す事は難しいでしょうか?

(40代:女性)

A.

 氏(姓)というのは戸籍を編纂する際の基礎となるものであり、氏の変更を簡単に認めてしまうと、個々人の同一性の特定が困難になるため、現行法上は厳格な要件の下で例外的な事由がある場合にしか氏の変更を認めていません。
 つまり、氏の変更は、(1)氏を変えるべきやむを得ない理由がある時に、(2)戸籍の筆頭者かその配偶者が、(3)家庭裁判所の許可を得て(家事審判法第9条2項)行うこととされています(戸籍法第117条1項)。
 そこで、あなたのケースで、氏を変えるべき「やむを得ない理由」があるといえるのかを考えてみましょう

 そもそも、あなたは離婚により旧姓に戻るのが原則であり(民法第767条1項)、離婚後も結婚中の姓を名乗る(同条2項)ことの方が寧ろ民法の定めた例外(特例)であることからすると、日時の経過により結婚中の姓が離婚後のあなたに対する呼び名として社会的に定着している場合を除いては、旧姓への氏の変更については、「やむを得ない理由」の有無は通常の氏変更の場合よりも緩やかに解釈されると思われます。
 ですから、あなたが旧姓に戻したいと考えている「しかるべき時期」がいつかにもよりますが、あなたが結婚中の姓を離婚の際に選択した理由が子供の精神状態等の為であったという理由であることからすると、比較的容易に旧姓に戻すことが認められるでしょう。

 

 実際の変更手続きは、あなたの住民票上の住所を管轄する家庭裁判所に、「氏の変更の許可」を申し立て、その審判を得た後、その審判書を持って住所地の役所の戸籍課で「氏の変更届」を提出するという事になります


更新 2008年3月 5日
      

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