離婚したい人も、離婚したくない人も、知ればきっと役に立つ

財産分与でマンションを貰う方法

Q.

 私は専業主婦ですが、この度夫と離婚する事になりました。今一緒に住んでいる夫名義のマンションを財産分与として私が貰うことで話がまとまりそうなのですが、それは出来ますか?手続きはとても面倒ですか?

(30代:女性)

A.

 あなたが離婚に伴う財産分与として、今あなたとご主人がご一緒に住まわれているマンションをご主人から貰うことは可能です。離婚に伴う財産分与は、当事者の協議によりその内容を自由に決めることができるからです(民法第768条1項2項)。
  マンションを財産分与として貰う際、注意すべき点は、(1)家の名義をどうするか、(2)家のローンをどうするか、(3)税金をどうするか、(4)名義を移す時期をどうするか、です。
  まず、(1)家の名義は、ご主人の名義からあなたの名義に変更するのが一般的です。ただ、家のローンがまだ残っている場合、ローンの融資元(金融機関)が名義変更を許可しないこともある様です。
  次に、(2)家のローンがまだ残っている場合、誰が今後そのローンの返済をするのかを決める必要があります。あなたが今後はご主人に代わってローンの返済をするのでしたら、ローンの融資元(金融機関)に債務者の変更手続きをする必要があります。その際、あなたの返済能力が問われることになりますので、場合によっては変更が認められなかったり、新たに保証人を要求されるかも知れません。その様な場合は、契約上の債務者はご主人のままで事実上あなたが返済することになります。
  ご主人がローンの返済を続けるのでしたら、確実にローンを払って貰える為の手だてを取る必要があります。なぜなら、自分が住む訳ではない家のローンをご主人が誠実に払うかは疑問であり、もしローンの返済が滞れば家に設定されている抵当権が実行され、結局あなたは家を失うことになるからです。ですから、この点も強制執行受諾文言付きの公正証書などを作成しておく事をお薦めします。
  そして、(3)の税金については、原則として財産分与の対象が家(不動産)である場合、与えるご主人の側には譲渡所得税が発生し、貰うあなたの側にはいわゆる登記費用(登録免許税・不動産取得税)が発生します。ですから、これら費用をどちらが負担するのかも決めておく必要があります。(尚、財産分与の額が常識的に考えて多すぎる場合は、その限度を超えた額に対して贈与税がかかる場合があります。)
  もっとも、与える側の譲渡所得税を払わずに済む方法もあります。(a)購入価格より分与時の時価が下回る場合は譲渡益が無いので非課税、(b)居住用不動産(自宅として住んでいた)であり且つ譲渡する相手が親族でない場合は時価3000万円までの譲渡益が非課税、(c)婚姻期間20年以上の夫婦が居住用資産を贈与する場合は、贈与税に関して2000万円の配偶者控除有り、との制度を利用するのです。
  ここで(4)登記を移す時期が大事になってくるのです。つまり、(b)を利用するので有れば離婚成立後(あなたとご主人が「親族でなくなってから」)に登記を移転する必要がありますが、反対に(c)を利用するので有れば離婚成立前(あなたとご主人が「夫婦」である間)に登記を移転する必要があるからです。
  また、そもそも財産分与は離婚成立後2年間以内に請求しないと時効にかかりますので(民法第768条2項)、その事も忘れない様にして下さい。


更新 2008年2月18日
      

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