離婚したい人も、離婚したくない人も、知ればきっと役に立つ

離婚による慰謝料と財産分与の時効について

Q.

 友人夫婦に裁判による離婚が成立しました。判決によれば「慰謝料等の時効は10年」だということでした。ところが先日、あるテレビ番組で、協議離婚では「財産分与は2年、慰謝料は3年」と放送されていました。
 裁判離婚のほうが有利だということなのでしょうか?

(50代:女性)

A.

 協議上の離婚も裁判上の離婚も、離婚により発生する法律効果は同じです。方式の違いから名称は異なりますが、どちらかが有利であるとか不利であるとかいうことはありません。
 離婚する場合、一般には離婚時に慰謝料その他についても話し合うことが多いようですが、分かりやすいように、離婚した後で慰謝料、財産分与の請求をすることを考えてみましょう。

 「時効が2年、3年」とは、「請求権を行使できる期間」が、それぞれ2年、3年という短期消滅時効にかかるという意味なのです。慰謝料請求権は不法行為による損害賠償請求権の性質をもつため3年(民法724条)、財産分与請求権は2年(同768条2項但書)です。協議離婚でも裁判離婚でも、請求権の行使期間自体がこれらの短期消滅時効に服することに違いはありません。いずれも離婚が成立した日からその期間内に請求しなければ、請求権自体がなくなってしまいます。

 時効期間内に権利を行使し、判決として確定すれば、その債権は普通の債権と同じ性質を持つ債権として、10年の時効期間(普通の債権の消滅時効は10年です。民法167条1項)をもってよみがえります。同174条の2第1項は、「確定判決によって確定した権利や確定判決と同様の効力をもつ裁判上の和解、調停等によって確定した権利は、10年より短い時効が定められていても10年とする」と規定しています。

 ご友人が言われるところの「裁判離婚の慰謝料の時効は10年」とは、「離婚判決とともに慰謝料の支払いを命ずる判決がなされた場合に、その支払請求権の時効が10年」という意味でしょう。協議離婚であっても、例えば慰謝料の額については合意をみなかった場合に地方裁判所に申し立てて確定判決を得れば、消滅時効が10年の債権になります。


更新 2003年10月 7日
      

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