離婚したい人も、離婚したくない人も、知ればきっと役に立つ

借金も財産分与で分け合える?

Q.

 財産分与について質問です。私には財産と呼べる物はほとんどありません。その中でも洗濯機やDVDなど妻に取られて、妻は出て行きました。私に残ったのは借金だけです。妻と私が同じ目的で2人で話し合い納得した上で決めて作った借金を私だけが払うのに納得出来ません。借金も財産の内という事聞いた事があります。財産分与として借金の半分を妻に支払ってもらう事は出来ないのですか?

(30代:男性)

A.

 財産分与とは、婚姻生活中に夫婦の協力によって得られた財産を、離婚時に清算することをいいます。
財産の名義が夫婦の一方になっていても、その財産の形成維持に夫婦双方が貢献している場合は、財産分与の対象となります。そして、財産には現金や土地等の正の財産だけでなく、借金などの負の財産も含まれます。
借金などの負債の場合、家事に必要な生活費や家賃の支払いなど、夫婦が共同生活をしていく上で生じた借金は、夫婦共同の財産分与の対象となり、夫婦が連帯して支払う義務が生じてきます(日常家事連帯債務民法761条)。
日常の家事に関する法律行為かどうかの判断は、夫婦間の内部的な事情だけでなく、その法律行為の種類、性質等も考慮して判断されます(最判昭和44年12月18日参照)。
相談者の場合、「同じ目的で2人で話し合い納得した上で決めて作った借金」ということですが、何のための借金なのかが相談文からは判らないのではっきりしたことは回答できません。
例えば、収入や生活レベルとのバランスが取れない分不相応な買い物や浪費、ギャンブルのための借金などは日常の家事の範囲とは言えません。上述の通り、生活費の補填や衣類・食料品の購入、医療、保険、子供の教育費など夫婦の共同生活に必要な費用に使った場合に限り奥さんにも返済の義務が生じます。

 仮に日常家事債務である場合であっても、債務者から「妻に請求してくれ」と債権者に主張することはできないため、債権者から請求があれば、債務者が借金の返済をしなければなりません。相談者としては離婚協議書などを作成し、借金の支払いについて妻と取り決めをしておかれるとよいでしょう。


更新 2012年5月 7日
      

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