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元夫と負った借金の残額を一括返済するよう求められた!

Q.

 先月離婚しました。財産分与等については、現在協議中です。
 結婚中、土地を購入するために、元夫と、元夫の父親から借金しました。月々の返済は、2回ほど1、2週間遅れたことがありますが、約6年間、きちんと支払ってきました。
 ところが先日、元夫の父親から、残金を全額返せと請求がありました。できないならば、土地に抵当権を設定し、金利も見直して再契約したいとのことです。
 元夫の両親とは結婚中から折り合いが悪く、今回の要求も、その一環のような気がします。10月1日までに態度を決めて連絡しろと言ってきております。この申し出に応じなければならないのでしょうか?

(30代:女性)

A.

 元夫の父からした借金につき、あなたと元夫は連帯債務民法432条)を負っていると考えられます。
 連帯債務とは、たとえば、AとBが共同で事業を行うことを企画し、その立ち上げ準備のためにCから事業資金を借り入れるなどという、各債務者の債務が主観的に共同の目的で関係しているものをいいます。
 連帯債務においては、債務者は各自が、全部の給付をなすべき義務を負います。連帯して100万円借りたとすれば、各自が100万円全額について、返済する義務を負うのです。もっとも、他の債務者が支払い義務を免れるというわけではありません。連帯債務者の一人がした弁済は、連帯債務者間の求償の問題として解決されます(民法442条1項)。
 また、連帯債務者の一人についてのみ、保証債務を成立させることもできます。連帯債務者の一人だけに、担保として保証人が付くことも認められます。
 したがって、元夫の父はあなたに全額の返済を請求することができますし、元夫には担保がなくても、あなただけが担保の差し入れをするということも認められます。

 しかし、あなたは、分割払いで返済するという契約をしており、債務者として期限の利益民法136条)を有しています。期限の利益とは、契約で定められた期限までは弁済しなくても債務不履行とならない、という利益です。この利益は、債権者が勝手に奪ったり、内容を変更したりできるものではありません。
 債務者が破産したときや、担保を壊したり減少させたりしたときなどは、債務者は期限の利益を喪失するため(民法137条)、ただちに全額を弁済しなければなりません。
 しかし、今回はそういう事情もないようですから、元夫の父の主張は認められません。したがって、あなたは申し出に応じることなく、当初の契約通り、債務を履行すればよいのです。


更新 2005年9月27日
      

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