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夫の両親に慰謝料・養育費を請求できる?

Q.

 離婚を考えているのですが、夫はフリーターで、お金に対してだらしない性格をしています。そのため、慰謝料・養育費の請求を考えていますが、とても支払いを当てに出来る状態では有りません。このような場合、夫の両親に慰謝料・養育費の請求をすることは可能ですか?

(20代:女性)

A.

 離婚に際して「慰謝料」と「養育費」が請求されることがよくあります。しかし、それらは必ず請求できるというものではありません。
  まず「慰謝料」についてですが、これは精神的苦痛を慰謝するものであり、民法上の不法行為責任として認められるものです(民法710条)。したがって、夫が離婚原因(浮気や暴力など)を作った場合などは格別、単に性格の不一致などで離婚をする場合には原則として認められません。
  また、「養育費」は親の子に対する扶養義務〔生活保持義務〕(民法822条877条1項)として認められるものです。したがって、あなたと夫との間に子供がいない場合には認められません。

 では、本件において「慰謝料」および「養育費」を請求するための状況があると仮定した場合、その支払いを夫の両親に請求することはできるのでしょうか?
  「慰謝料」とは、相手の不法行為によって受けた精神的損害(=苦痛)の賠償として認められるものです(710条)。そのため、これを請求できる相手方は、原則として、不法行為を行った本人に限られます。したがって、夫が行った不法行為について、夫の両親に慰謝料を請求することはできません。未成年者ならともかく、成年に達した夫個人の債務について親が責任を負うということはありません(民法4条712条714条
  また、「養育費」とは、親が子に対して有する扶養義務〔生活保持義務〕として認められるものです。したがって、養育費の具体的金額も扶養義務者(夫)の資力などを基礎に決められることとなりますし(879条)、そのように決定された養育費を、支払能力のない扶養義務者に代え、他人である扶養義務者の親に肩代わりさせることはできません。

 以上、たとえ夫に支払能力がないとしても、夫に対して請求するべき慰謝料・養育費の請求を夫の両親に対してすることはできません。


更新 2008年1月30日
      

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