離婚したい人も、離婚したくない人も、知ればきっと役に立つ

支払われなかった過去の養育費を請求したい

Q.

 24歳の会社員です。両親は20年前に離婚。母が私をひきとり、養育費として父が毎月4万円支払うことを取り決めました。その際、契約書も作成しました。
 しかし、2年後から養育費の支払いが止まり、以後、私が成人して大学を卒業するまで支払われることはありませんでした。当時、父は再婚相手に子供が生まれ、経営する事業もうまくいっていなかったため、母もあえて強く請求しなかったようです。
 しかし、最近になって、父が祖父から土地を譲り受けマンションを建てるなど、経済的に不自由していないことがわかりました。
 私は高校と大学に通うために借りた奨学金を今も返済していて、それはあと5年ほど続きます。父が経済的に余裕ができたと知った今、養育費が支払われずじまいなのは納得がいきません。学費だけでも請求することはできないのでしょうか。

(20代:女性)

A.

 養育費は、一般的には、親が未成年の子どもを扶養するため必要な費用をいいます。
 しかし、「いつまで払う義務があるか」というと、必ずしも「成人するまで」と決まっているわけではありません。子どもの希望、その家庭の事情などにより、高校卒業するまでという場合もあれば、大学院を終えるまでということもあるでしょう。
 通常は、養育費の金額を取り決める際に、いつまで継続して支払うかということについても決めるものです。ですから、「成人したから学費は請求できない」とことはなく、当初の取り決め、契約書の内容どおりに請求ができるのが原則です。

 「原則」と申し上げるのは、養育費にはその性質上、流動的な面があるからです。
 いったん○万円と決めても、物価の高騰や子どもの病気、進路の変更などによって出費が増加することもあります。そのような場合は養育費の増額を請求することも可能です。逆に、養育費を負担する側の経済的な事情が悪化したり、もう一方に収入が増えたりした場合には、減額を請求されてしまうことも考えられます。
 そのような変更がなかった場合は、はじめの決定が法的に効力を持つことはいうまでもありません。学費ばかりでなく、お母様が立替払いされた諸費用についても、本来のお父様の負担部分につき、支払いを求めることができます。

 ただし、その一部分については、──契約の支払期限や今までの督促のなされ方にもよるため「いつからの分」とは申し上げられませんが── 時効にかかっていて、支払いを拒まれる可能性があります。
 もちろん、時効にかかっていても、債務者であるお父様が時効の利益を放棄して任意に支払われる分には何の問題もありません。養育費という性質上も、通常のお金の貸し借りとはその真意において異なるはずですから、むしろ法律を振り回さず気持ちを率直に話されたほうがスムーズにいくのではないでしょうか。

 それでも請求に応じてくれないときは、どうしたらいいでしょうか。
 養育費を家庭裁判所の調停等で決定したときは、家庭裁判所に申し立てることによって支払い勧告や命令を出してもらうことができます。さらに調停調書に記載があれば、裁判所に強制執行を申し立てて財産を差押え、それを換価して養育費に換えることができます。
 調停調書に記載がない場合や、調停を経ずに当事者間で決定した場合には、改めて養育費の支払いについて調停・審判・訴訟などの手続をとる必要があります。


更新 2004年3月15日
      

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