離婚したい人も、離婚したくない人も、知ればきっと役に立つ

横領した妻と離婚できるか?

Q.

 妻が、職場でレジのお金を横領しました。どのくらいの罪に問われますか?それを理由に離婚をすることは可能ですか?

(30代:男性)

A.

 職場でレジのお金を盗んだ場合、窃盗罪(10年以下の懲役または50万円以下の罰金)か、業務上横領罪(10年以下の懲役)のいずれかに問われます。それを理由に離婚できるかは、個別具体的な事情によります。

 職場でレジのお金を盗んだ場合、レジのお金を誰が管理していたかにより、窃盗罪と横領罪のいずれが成立するかが異なります。
  窃盗罪とは、空き巣などが典型例で、「他人が占有」する財物を盗むことに対する犯罪です(刑法235条、10年以下の懲役または50万円以下の罰金)。
  これに対して、横領罪は、「自分が占有」する他人の物を横領したことに対する犯罪です(刑法252条、5年以下の懲役)。営業や職業としての地位に基づいて横領すると、業務上横領罪が成立します(253条、10年以下の懲役)。

 そのため、あなたの妻が職場でレジのお金を盗んだ場合、妻が経営者からお店のお金を管理する権限を与えられていなかった場合は、お店が占有するお金を盗んだとして、窃盗罪が成立します。
  これに対して、あなたの妻がレジのお金を管理する立場にあった場合は、妻が占有するお店のお金を横領したとして、業務上横領罪が成立します。

 いずれの犯罪が成立するにせよ、それを理由にあなたと妻が離婚できるかは、個別具体的な事情によります。
  まず、夫婦双方での合意があれば、離婚の理由を問わず、離婚できます(協議離婚民法763条
  離婚の合意がまとまらない場合は、家庭裁判所の調停手続を利用します。裁判による離婚を希望する場合も、まずは調停手続きを経る必要があります(調停前置主義)。
  調停でも離婚が成立しないときは、裁判による離婚となります。この場合は、相手方配偶者に離婚原因(民法770条)が存在することを証明しなければ、離婚できません。
  ご相談の場合は、妻の窃盗または横領事件が、「その他婚姻を継続し難い重大な事由があるとき」という離婚事由にあたるかが問題となります。
  配偶者に、殺人などの重大な犯罪行為や、重大な虐待や侮辱があった場合は、一般的に離婚が認められやすいといえます。ただ、その場合でも犯罪行為の程度や夫婦間の関係性により異なります。そのため、ご相談の場合に裁判による離婚が認められるかは、個別具体的な事情によります。


更新 2010年4月19日
      

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