離婚したい人も、離婚したくない人も、知ればきっと役に立つ

家事をしない「専業主婦」の妻と離婚できる?

Q.

 わが友人の奥様は、「専業主婦」なのに家事をせず、子供の世話も行き届きません。彼女は健康そのもので、どこか身体が悪いということもありません。
 仕事を終えて帰宅しても、「ハイ」とカップラーメンを渡されたり、昨日の残り物がそのまんま出て来たり。結婚して10年経つけれど、夫より早く起床したことはなく、彼は朝一人で食事の支度をし、カッターシャツも次の日着る分がないので自分で真夜中にアイロンがけをするような結婚生活。
 いわく、家事が「面倒くさい」のだそうです。仕事に出ることも勧めてみたそうですが、「働きたくない」。万策尽き果て、とうとう離婚まで考えるようになったというのです。
 こんな理由でも、彼は離婚できるのでしょうか。

(20代:女性)

A.

 夫婦が二人とも離婚を望んでいる場合は、話し合って離婚を決めます(協議離婚)。しかし、一方が応じない場合、話し合いがまとまらない場合には、裁判をして、離婚すべきかどうかを決します(裁判離婚)。
 一方が拒否しているのにもかかわらず、「離婚するかしないか」という極めて私的な、しかも当事者にとって重要な事柄を決めるというのですから、認められるには相当の理由が必要となります。それが「裁判上の離婚原因」といわれるもので、民法770条に規定されています。その代表格は「不貞」です。

 さて、妻が「全く家事をしない」ということが離婚原因となるか?ですが、認められるとすれば、同条の「その他婚姻を継続し難い重大な事由」に当たる場合です。
 怠慢の程度にもよりますが、普通考えられる程度では、裁判を起こしても認められないだろうと思われます。しかし、程度がはなはだしく、結婚生活を維持できないような場合は認められる可能性があります。
 また、未成年の子どもの生活や健康に悪影響が生じるような場合には、総じて認められやすいといえるでしょう。

 離婚が認められるとして、慰謝料はどちらが払うのでしょうか。
 たとえ妻が専業主婦で収入がなくても、妻の行為や生活態度が原因で離婚となったような場合には、夫に慰謝料を払わなければならないことがあります。
 しかし、子どもの養育費は別です。自分に離婚原因がある妻が子どもを引き取った場合でも、養育費の支払いまで「妻が悪いのだから」といって拒むことはできません。
 養育費は子どもに対するものですから、離婚を理由に親としての責任を免れられるわけではないのです。


更新 2004年9月21日
      

ページトップへ