離婚したい人も、離婚したくない人も、知ればきっと役に立つ

信仰の違いで離婚できるか?

Q.

 私たちは出会って1年くらいで結婚してちょうど3年くらいになります。妻は結婚をする数年前から宗教に入信していたようでしたが結婚するまで教えてくれませんでした。私は、数年前のオウム真理教の事件報道を気持ち悪い想いで見ていました。ですのでそういった宗教に関して抵抗を感じていました。結婚後しばらくして家で拝んだり、私にお守りを持たせたししてどんどんエスカレートしてきました。
 そんな行動が目に付き出して来て最近見ていると気持ち悪くなってしまいます。こんなことでは夫婦生活は送れないから離婚をしてくれるように頼んでいるのですが聞いてくれません。結婚する時にどんな宗教に入っているのかということを聞きませんでしたが夫婦生活に支障がある以上離婚はできないのでしょうか。

(30代後半:男性)

A.

 協議による離婚民法763条)の場合を除き、離婚するには、法定の離婚原因が必要です。
 すなわち、

  1. 配偶者に不貞な行為があったとき
  2. 配偶者から悪意で遺棄されたとき
  3. 配偶者の生死が3年以上明らかでないとき
  4. 配偶者が強度の精神病にかかり、回復の見込がないとき
  5. その他婚姻を継続し難い重大な事由があるとき

のいずれかに該当する必要があります。

 信仰の違いによる離婚の場合、5. の要件をみたしているかが問題となりますが、過去の裁判例では、「毎日長時間にわたって線香を焚いて御経をあげ、夫がその時間を短くするように頼んでも聞き入れず、夕方からは説法、勧誘のためにほとんど毎晩外出し、あまつさえ夫の取引先にも強引に勧誘し、食事を一緒にしないなどの妻の行為は、節度を超えたもので、夫にこれを我慢するよう要求するのは相当でない」として、婚姻関係の破綻を認め、夫からの離婚請求を認めたものがあります。

 以上のように、信仰に基づく行動が節度を越えたものと認められる場合には離婚原因となりえますが、信仰の違いが常に離婚原因となるわけではありません。そこで、家庭裁判所に夫婦関係円満調整の調停を申し立ててはいかがでしょうか。第三者である調停委員会が双方の主張を聞いた上で、職権で必要な事実の調査などを行い、夫婦関係が円満にいくように解決方法を話し合いますので、夫婦だけで話をするよりはお互い冷静に話し合えると思われます。この手続には、900円1,200円分の収入印紙と連絡用の郵便切手が必要です。


更新 2002年4月 9日
      

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