離婚したい人も、離婚したくない人も、知ればきっと役に立つ

離婚後親権のない父親の葬儀・相続について

Q.

 30年前に離婚した両親はどちらも再婚しておらず、子供は私(長男)のみ。親権は母親。父親は1人暮らし。(数年前から隣県に私が居住) 父方の祖父母は既に他界し、父方の実家・親族との連絡はほとんどとれない状況。(父親と年賀状のやりとりのみ) 最近、父親(70代)が重症の病で入院したため、今後のことを考えて不安になっております(入院から今後の介護に関することは、全て私が行う予定。)
 そこで質問なのですが、1 父親が亡くなった場合の葬儀の喪主等は、だれが行うべきなのか。2 また、その際の相続については、どのような選択肢があるのか。(貯金・不動産)の二点につき教えていただけないでしょうか。

(50代:男性)

A.

質問1について

 喪主とは祭祀を執り行う者です。誰が喪主を務めるかについては完全に慣習に任されており法律上の決まりはありません。喪主は一般的には、故人の配偶者、次に、長男、長女の順番になります。

質問2について

 両親が離婚をした場合であっても、法律上の親子関係がなくなることはありません。たとえ、親権を持っていない親であっても法律上は親であり続けます。なお、養子の場合は養子縁組を解消することで親子関係を断ち切ることは可能です。(この点に関しては法律クイズ「素行の悪い息子と家族の縁を切りたい!」を参照してください)

 相談者の母親は既に離婚されているので、父親の推定相続人ではありません。そして、子は相談者のみということなので、父親が亡くなった場合の相続人は相談者のみということになります。
 ですので、父親が亡くなった場合には相談者が父親の貯金や土地などの正の財産も借金などの負の財産も相続することになります。

 相続の方法としては、(1)単純承認、(2)相続放棄、(3)限定承認という方法があります。

  1. 単純承認とは、被相続人の一切の権利義務を承継することをいいます。相続開始を知ったときから3ヶ月以内に何もしなければ単純承認とみなされます。
  2. 相続放棄とは、正の財産も負の財産も相続しないことをいいます。相続放棄は相続があったことを知ってから3ヶ月以内に家庭裁判所に相続放棄の申述をしなければなりません。
  3. 限定承認とは、承継した正の財産の範囲内で負の財産(借金)を承継すればよいこととなります。つまり、借金の方が多ければ、正の財産を承継した分だけ借金を弁済する義務が生じますので、結局、相続はプラスマイナスゼロで終了します。逆に正の財産の方が多ければ、その差額分だけは正の財産を承継できます。限定承認は相続があったことを知ったときから3ヶ月以内に相続人全員で家庭裁判所に限定承認申述書により申述する必要があります。

 相続財産の状況に応じて上記3つの方法を検討して下さい。


更新 2012年3月28日
      

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