離婚したい人も、離婚したくない人も、知ればきっと役に立つ

暴力を振るう父親から逃れたい!

Q.

 僕は中学三年生です。以前、僕たちは、父の暴力と言葉の暴力に耐えられず、福祉施設の人に相談したところ一度離れて暮らした方がいいと言われました。
 そこで、母(40才)と兄(高校一年生)と弟(中学一年生と小学五年生)と僕で離れて暮らすために福祉施設の人を通して母子家庭のための施設で暮らし始めました。
 ところが、父が勝手に、母が叔母に預けていた離婚届を無理矢理出させて親権者の欄を父の名前に書き換えて離婚届を出しました。
 僕たち兄弟は父のところに戻るのは、死ぬほど嫌なので親権をどうしても母のもとに取り返したいのですが、母は口下手なので、弁が立つ父に上手くまるめこまれそうです。
 どうしたら親権を取り戻せますか?

(10代:男性)

A.

 親権を父親から母親に取り戻す方法として、まず、離婚自体の無効を主張することが考えられます。

 そうすることによって、親権者の定めに関しても無効となり白紙に戻すことができるからです。

 当事者に法律上の婚姻関係を解消する意思がある場合、たとえ方便のための離婚届けであっても、離婚は有効であるとするのが判例です(最判昭和38年11月28日)。

 そして、相談者の母親は必要事項を記入済みの離婚届を相談者の叔母に預けていたのであり、少なくとも法律上の婚姻関係を解消する意思は有していたと考えられます。

 また、相談文の事実からも離婚意思を有していたと考えるのが妥当でしょう。

 したがって、本件でも離婚は成立していると考えられ、離婚の無効の主張は通らないと考えられます(実際上も離婚の無効を主張するよりも以下で述べる方法の方が簡便であると考えられます。)。

 そこでこのような場合に、親権を母親の元に取り返すには、家庭裁判所で変更の手続きを行う必要があります(民法819条6項)。(「親権とは」の記事も合わせて参照してください。)

 離婚後の親権者の変更においては、「子の利益のため必要があると認められるとき」に親権者の変更が認められます。

 本件の場合、相談者は以前から父親に暴力を受けており、福祉施設の判断で父親と隔離するという措置もとられていたということですので、親権者の母親への変更は認められると思われます。

 また、変更の手続きは、具体的には家庭裁判所での調停または審判という手続きを経ることになります。

 相談者は、母親が父親に言いくるめられないか心配との事ですので、弁護士などの代理人を立てて、以上の手続きを申し立てるのがよいでしょう。


更新 2011年6月15日
      

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