離婚したい人も、離婚したくない人も、知ればきっと役に立つ

肉体関係がなければ、慰謝料は請求できないの?

Q.

 主人とある女性の間に、ここ何年か不倫関係が続いています。
 私はかなりの精神的苦痛を被っており、二人に対して別々に慰謝料の請求ができないかと考えています。相手の女性からは離婚を迫られた事もあり、今後も主人との関係は続けていくと宣言されてしまいました。しかし、本人達曰く、「肉体関係はない」とのこと。
 このような場合、慰謝料請求は認められないのでしょうか?

(40代:女性)

A.

 ご主人とその女性には肉体関係がないと主張されているようですが、それは普通考えにくい状態です。友人として節度を守ったお付き合いなら別ですが、あなたに離婚を迫ってくるほどの仲であるのに一切深い関係がないということ自体、不自然です。そう言って逃げているだけなのではないでしょうか。
 肉体関係があるという証拠をつかめれば、それは夫婦間の貞操義務に反する行為、つまり不貞行為にあたるため、双方に不法行為民法709条)として慰謝料請求することができます。もし本当に肉体関係がないならば、社会通念上そこまでの深い関係にないこととなって(あなたを脅迫したり執拗な嫌がらせをするなどの、行為の態様にもよりますが)、あなたの精神的損害を客観的に証明するのは少し難しいかもしれません。

 次に、あなたがもう離婚したいと考えておられる場合についてご説明します。ご主人と協議してまとまらなければ、裁判に訴えて離婚を認めさせる方法(裁判上の離婚)をとることになります。民法770条には裁判上の離婚が認められる5つの原因が定められていますが、不貞行為はその一つです。そして、たとえ肉体関係がなくても、「その他婚姻を継続し難い重大な事由があるとき(1項5号)」と判断されるような程度まで付き合いが深いようならば、裁判上の離婚原因となりえます。

 しかし、そもそも夫婦とは、法律で規定されているからどうこうしなければならない、というものではなく、本質的に協力し扶助し合わなくてはならないものです。「ここまでなら形式的に離婚原因にはならないのだから大丈夫」というものではありません。
 形だけの夫婦ほど空しいものはありません。あなた方ご夫婦が夫婦として生活していく意味は何なのか、御自分にとって何が一番大切なのか、この機会によく考えてみることだと思います。たとえ二人から慰謝料が取れたとしても、それが問題解決の糸口となり、あなたの新しい幸福につながらなければ何にもならないことだからです。


更新 2003年7月 8日
      

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