離婚したい人も、離婚したくない人も、知ればきっと役に立つ

『ラブホテルには行ったけれど、何もしていない』は通用する?

Q.

 妻が5年前から不倫をしており、半年前に探偵に調査を依頼しました。そして、妻と不倫相手がラブホテルに出入りする写真(2回分)と相手の名前を入手しました。そこで、妻に離婚を求めました。ところが、妻は、ラブホテルには入ったが何もしてない、不倫ではないと言い張り、離婚はするけど毎月家のローンや生活費を合わせ10万以上払うか、まとまったお金を払わないと印を付かないと言っています。
 不倫されたのに、この金額。生活費は払わないといけないものですか?
 とりあえず、現在は家と車のローンと光熱費は僕の口座から落ち、嫁と2人の子どもに数万の生活費は払ってます。

(30代:男性)

A.

 まずは、奥さんとよく話し合い円満に協議離婚をされることをお勧めします。もし、奥さんとの話し合いによる協議離婚が進展しない場合は、家庭裁判所に離婚調停の申立てをして下さい。そして、調停が不調に終わった場合には、離婚を求めて裁判をすることになります。日本では調停前置主義を採用していますので、いきなり裁判離婚をすることはできません。
 裁判離婚をするには、民法770条1項に列挙されている離婚原因が必要となります。相談者の場合は、奥さんの不倫を理由に離婚を求めることになるので、770条1項1号の「不貞行為」があったことを離婚原因として主張することになります。
 ここで、不貞行為とは、配偶者のある者が、自由な意思に基づいて、配偶者以外の者と性的関係を結ぶことをいいます(最判昭和48年11月15日)。そして、裁判おいて不貞行為があったと認定されるためには、不貞行為そのものの証拠(例えば、当該行為の最中を撮影した写真)は必要ではなく、不貞行為があったことが相当程度の蓋然性を持って推認できるだけの証拠があればよいとされています。すなわち、一般人の感覚を持ってしてかなりの確率で不貞行為があったであろうということが立証できれば、不貞行為は認定されます。
 本件の場合、奥さんと不倫相手がラブホテルに出入りする写真(2回分)があるということなので、裁判では不貞行為があったと認定されると考えられます。
 したがって、本件では、離婚原因である「不貞行為があったとき」(民法770条1項1号)が存在すると言えます。

もっとも、不貞行為が婚姻関係破綻後の場合は、当該不貞行為と離婚との間の因果関係が認められないので、これを離婚原因として離婚することはできません。裁判では、相手側がこの点を主張してくるものと考えられます。
また、生活費の支払いについてですが、奥さんから財産分与の申立てがあれば、この生活費は財産分与として支払う必要があると考えられます。なぜなら、財産分与請求権は慰謝料請求権とは異なり、必ずしも相手方が不法である必要は無いからです。本件では、相談者に非がなくても奥さんから財産分与の申立てがあれば、その金額は裁判等で決まるとして、いくらかは支払う必要があると考えられます。


更新 2011年3月 7日
      

ページトップへ