離婚したい人も、離婚したくない人も、知ればきっと役に立つ

親権 (2)

前回は、親権の権利内容についてご説明をしました。今回は、親権の判断基準を解説します。

親権の取り合いとなった場合でも、夫婦の両者を親権者と定めて離婚することは許されません。双方を親権者と記載して離婚届を提出しましても、受理してもらえませんので、子が20歳以上や出産前の場合などを除き、基本的に一方が親権者となる必要があります。

現在の法律実務では、「子の福祉(幸せ)」を基準としまして、どちらが親権者となるべきかで判断がなされています。具体的には、虐待の有無、子の年齢や性格、経済力、居住環境、養育への熱意、愛情、父母の健康状態などから総合的に判断されることになります。したがいまして、不貞行為をした親や、経済力の無い親でも、それだけの理由で親権者として不適格になるとは限らないことになります。

現実としましては、10歳未満の子の場合は、虐待などの特別な理由のない限り母親が親権者となり、10歳以上の場合は、子の意思に任せるケースが多いです。その他、兄弟姉妹が居る場合は、親権者が別々とならないように配慮されます。また、生活環境を変えない方が「子の福祉」に適すると考えられており、明確な基準はありませんが、別居期間がおよそ1年半程度以上になりますと、生活環境を変更するだけの特段の事情がなければ、原状維持を優先する向きにあります。

これを受けまして、別居時に子を連れ出すように指導する専門家も居ますが、必ずしも連れ出しが「子の福祉」に適するとも限らないですので、鵜呑みにしないようにして下さい。

もちろんのことですが、親権の押し付け合いになった場合でも、親権者を定めないで離婚をすることは、基本的に認められないことになっています。

では、譲歩しない相手をどのように説得すれば良いのでしょうか。
次回は、親権をめぐるトラブルの対処法について解説します。

※ このコラムの内容で損害が生じても責任を負いません。
※ このコラムは2007年4月に執筆、2008年4月に改定されたものです。

執筆者 行政書士 夛治川 満之
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更新 2007年5月14日
      

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