トップページ > なっとく離婚相談 > 年収を詐称された!婚姻を取り消せる?
なっとく離婚相談 2009年7月27日 更新
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結婚相談所で知り合った人(40歳)と、婚姻届を出しました。 結婚相談所のプロフィールでは年収が700万となっていて、 本人も専業主婦でいいよと言ってくれていました。 しかし、実際は月収20万円しかありませんでした。大卒で、信用できる人かと思っていました。700万円というのは、多いときの年収らしいのですが、故意に言わなかった点が不信感となっています。 婚姻の取り消しは出来るでしょうか?
(30代:女性)
事情によっては難しいかもしれませんが、取消を請求する余地はあるでしょう。
「詐欺」によって婚姻をした者は、その婚姻の取消を裁判所に請求することができます(民法747条1項)。
具体的な手続きとしては、家庭裁判所に「調停」を申立てることになります(調停前置主義、家事審判法17条、18条)。
調停では、あなたと夫の双方が婚姻を取消すことを争っていなければ、家庭裁判所が必要な事実を調査し、調停委員の意見を聴き、婚姻が取消されるのが正当であると認められることにより、合意に相当する「審判」がなされ、婚姻の取消をすることができます(家事審判法23条)。
後述するあなたの夫が取消を争っている場合に比べて、ゆるやかな要件で婚姻の取消が認められるといえます。そのため、あなたがどうしても婚姻の取消をしたいと考えるのであれば、まずは夫を説得することが得策かもしれません。
仮に、あなたの夫が婚姻の取消を争っていて、調停がまとまらなかった場合には、「婚姻の取消しの訴え」を家庭裁判所に提起することになります(人事訴訟法2条1号)。
それでは、本件のように年収を偽られて結婚した場合、「詐欺」による婚姻であるとして婚姻の取消しが認められるでしょうか。
「詐欺」による婚姻とは、違法性を帯びる方法で、人の属性などについて相手方をだまし、勘違いさせたことにより、婚姻の合意をさせることをいいます。
ただ、男女の恋愛関係においては、自分を良く見せるために多少誇張をすることはあって当然であると考えられます。
そのため、詐欺による取消が認められるためには、相手方をだます行為が、相当強度な違法性を帯びていることが必要であると考えられています。また、詐欺行為によって、一般人にとって相当重要なものとされる程度の錯誤に陥ったことも必要です。
ご相談の場合、相手方の年収が、多い時には年収700万円で少ない時には年収320万円程度(月20万円)であったとしても、相手方の職業が、その年ごとの収入に変動があるのが当然のような職業であれば、婚姻の取り消しは認められないでしょう。
しかし、以下のような事情があれば、婚姻の取消が認められやすいと考えられます。
そのほかにも様々な事情を考慮に入れて判断されるので、実際に、婚姻の取消が認められるかは、担当裁判官や考慮される事情によって判断が分かれると考えられます。
なお、詐欺による婚姻の取消ができる権利は、詐欺を発見したときから3ヶ月経過したときには消滅します(民法747条2項)。3ヶ月が経過してしまった後には、婚姻を取り消すことは出来ないので、注意してください。
ただ、取消期間の3ヶ月が経過してしまった後でも、年収を詐称されたという事実により、彼とあなたの信頼関係が破綻し、「婚姻を継続しがたい重大な事由」(民法770条1項5号)があるものとして、離婚の訴えを提起することは可能です。その場合、あなたは慰謝料を請求することもできるでしょう(民法710条、709条)。
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